研修はもっとうまくできないか…「あゝ野麦峠」

 久々に「あゝ野麦峠」を読んでいる。女性中心の入力業界にとっては、同じく女性中心の業界だった製糸の話はいろいろと勉強になる。

 この本は「製糸工場で働いた娘たちは、昔はこんなにつらい境遇で…」という女工哀史的な視点だけにとどまっていないのが面白い。
 なんたって明治時代の日本には、輸出できるものがほとんどなかった。外貨を稼げるのは生糸だけ。しかも、ニューヨークの生糸相場は乱高下を繰り返す。「製糸業は生死業」で、工場の旦那衆も命がけなのだ。

 怒鳴られ殴られ、諏訪湖に身投げする工女は後を絶たなかった。高価な繭をクズ糸にされては工場主が怒るのも無理はないが、向き不向きというものは、どうしてもある。
 年間契約でお金の一部を先払いしているから解雇もできないという事情。適性のない者まで採用するほどの人手不足。研修体制の不備。適性がなくたって、教え方次第ではギリギリ輸出可能程度の仕事ができるようになるかもしれないのに。

 研修は、この10年(入力会社の内勤時代を含む)ずっと私の関心事だ。入力業界はみんな零細で、会社の規模も小さいし、個人が個人に発注することも多い。手取り足取り教える余裕がない。そもそもネット経由で遠方に発注するときは、顔を合わせることさえない。
 経験がなく「即戦力」にならないからと、適性がある人材がはじかれてしまう現象は、入力業界の人手不足を悪化させている。

 研修体制、教材、教え方。私自身が関わったものも含めていろいろできたり消えたりしてきたけど、もっといいものを作れるはずだと思う。

 「あゝ野麦峠」は、「優等工女」問題もいろいろ考えさせられる。この話はまた次回。

|

アンケートの入力・集計は手順を選べる

 ブログ「ぺんぎんの濁流」の日本ぺんぎんさんがどんな仕事が好きかなあと悩まれている。「テープ起こしとDTP、どっちが好きですか?」とお聞きしたのは私。
 私自身がいろいろな仕事をしていて、いつも「今後どれに重点を置いていくか?」「どれがやりたいか?」と自問自答しているので、いくつかの仕事を並行して(あるいは複合的に)やっている方に尋ねたくなるのだ。

 日本ぺんぎんさんは困ったあげく、どちらかといえばDTPとおっしゃっていた。私も、テープ起こしより、どちらかというとアンケート入力+集計レポート作成が好きだと思うことがある(それ以外の仕事もしているけど、メインの2つを比べて)。

 アンケートの仕事のほうが、テープ起こしより自由度が高い。
 アンケートの集計は、最終的に「男性何名、女性何名、無回答何名」などが明確に示せればいいのであって、途中経過はどう処理しようが勝手だ。
 集計しやすい入力用フォームを作成し、入力ミスが少なくなる設定をし、データを入力する。集計作業では、マクロを組もうが関数を使おうが計算式で軽く片付けようが勝手だ。それから自分の好みで集計表を作成し、さらに集計表からグラフを作る(何グラフで表わすかはクライアントと相談するけど)。
 入力や集計の方法、レポートとしてビジュアルに見せる方法は、会社ごとに(おそらくは部署ごとにも)結構違うやり方を取っているものだ。たまに違うクライアントの仕事を受注すると面白い。

 テープ起こしは、音声1秒目から音声の最後に向かってまっすぐ起こしていく、基本的に単線型の仕事。使う機材やソフトは選べるが手順はあまり選ぶ余地がない。
 テープ起こしとアンケートの仕事では、脳みそや性格の別の部分を使っているような気がする。

|

ノウハウは分解すればスキルにすぎない

 6件同時進行などという忙しい状態がずっと続いている。このままでは疲れて大きなミスをしかねない。

 作業手順の見直しをしてみた。テープ起こしにはあまり改善の余地がない。「アンケート入力+集計レポート作成」のほうを、「宅配便受け取り+荷ほどき」から順番に作業内容を書き出してみた。
 荷ほどきなんか仕事のうちに入らないって? いやいや。宅配伝票は先方と自分の個人データだから安易にゴミ箱にポイというわけにはいかないし、次から次へと仕事が届くと封筒や梱包材を処分するひまさえない。あげくに、内容確認だけは早くと思いながら、未開封の封筒を翌日まで放置する羽目になったりもする。

 メール・電話等の打ち合わせを除く実作業だけでも、「宅配便受け取り+荷ほどき」から最後の「梱包+宅配便発送」まで16工程。なのに「入力+校正」という1工程しかスタッフに頼んでない。頼める作業は頼もう。

 「この仕事はノウハウのかたまりで」とか「手順を説明するには一緒にパソコンの前で何時間ものレクチャーが必要だから、遠方の人には無理」なんてことはない。
 ノウハウは手順を分解すれば一つ一つは単なるスキルに他ならないし、長ったらしいレクチャーより「これを使えば簡単に作業できる」というツールを提供するほうが賢い。さらにはチェックリストを作成しておけば、作業者自身がミスを発見・修正できるから、検品が楽になる。

 今後の仕事
1. 自分でやるべき作業の範囲を明確にする。
2. 外注する作業に便利ツールを作成する。
3. 作業マニュアルとチェックリストを作成する。
4. それぞれの作業に発注単価を設定する(今は入力+校正の単価しかない)
5. 徐々に作業を引き継ぐ。

(業務連絡:この記事を読んで「アンケートのスタッフって私のこと?」と思った方、そうですー。簡単なところから少しずつお願いしますのでよろしく!)

|

身分証明書を提出した

 新しい取引先に対しては、とりあえずA4判1枚の簡単な業務案内を持参する。必要に応じて、個人事業者としての登記簿謄本や印鑑証明を提出することもある。
 業務委託契約書や機密保持契約書にサインすることもよくある。去年か一昨年ぐらいからは、セキュリティ上の観点から、作業環境について細かい質問書を送ってくる企業も増えた。

 そこまでは慣れていたけど、今回は珍しい書類を要求されたので、ちょっとご紹介。身分証明書というものだ。
 市役所で取れると聞いて出かけてみたら、現住所の役所で取るのではなかった。これは戸籍の仲間で、本籍地で取るものだという。幸い私の本籍地は隣の市だから、すぐ出かけて取ってきた。1通200円だった。
 消費者金融で借りすぎて自己破産した人って、こういうとき仕事を受注できないのかも。内容はだいたい次のとおり。自治体によっては身元証明書という名称のこともある。

身分証明書

本籍:××
氏名:××
生年月日:××

1 禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けていない。
2 後見の登記の通知を受けていない。
3 破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていない。

上記のとおり証明する。

年月日
××市長 ××

|

その他のカテゴリー

2003年の「業務日誌」 | 2003年の業務日誌2 | 2004年の業務日誌1 | 2007年5月号畔見さんとの対談1 | 2007年5月号畔見さんとの対談2 | 2007年5月号畔見さんとの対談3 | 2007年5月畔見さんとの対談4 | 2007年6月号文月さんとの対談1 | 2007年6月号文月さんとの対談2 | 2007年6月号文月さんとの対談3 | 2007年6月号文月さんとの対談4 | 2007年7月卓也ママさんとの対談 | 2007年7月卓也ママさんとの対談2 | 2007年7月卓也ママさんとの対談3 | 2007年7月卓也ママさんとの対談4 | 2008年1月 山本牧子さん3 | 2008年1月 山本牧子さん4 | 2008年1月号 山本牧子さん1 | 2008年1月号 山本牧子さん2 | 2008年4月奥山睦さん1 | 2008年4月奥山睦さん2 | 2008年4月奥山睦さん3 | 2008年4月奥山睦さん4 | 2008年4月奥山睦さん5 | インターネット | ゼロから学ぶテープ起こし | ソフトウェア | テープ起こし | テープ起こし2 | データ入力とその周辺1 | データ入力とその周辺2 | データ入力とその周辺3 | リンク | ロタン1 | ロタン2 | 単価下落を考える1 | 単価下落を考える2 | 単価下落を考える3 | 四月堂について | 在宅ワーク | 外へ出るとき | 外出 | 女が働くこと(雑談コーナー)2 | 女が働くということ | 小さな在宅ワークの経理 | 過去の『月刊在宅入力者』記事より