自分の首を絞める低価格会社
データ入力の分野では、途方もない低価格で請け負う会社が出てきている(個人事業ではなく会社法人が多い)。
もちろん、低価格路線は受注量を増やすための名案ではある。ただ、入力は労働集約型産業だから、低価格を実現するには作業者への支払いを節約するしかない。
※労働集約型産業とは、機械化・自動化しにくく人海戦術で処理するしかない産業のこと。「IT導入による省力化」で労働集約型を抜け出す産業も多いのに、入力というパソコン仕事が人海戦術なのは皮肉だ…。
超低価格で受注する会社は、ベテランが入力しても時給換算100円台にしかならないような単価で作業者に出す。不慣れな人なら、時給換算で数十円。
こんな単価でも、在宅ワークにあこがれる人がいる限りかろうじて入力者の確保はできるかもしれない。でも誰も長続きせず、会社はいつも新人入力者を相手にするはめになるだろう。
新人ばかりだと、管理する側の負担は重い。例えば、ベテラン揃いなら5人で済む仕事が、入力に不慣れで遅い人ばかりでは15人投入しなければならない。15人と連絡を取り、15枚の請求書を受け取り、15件の報酬振込みをする。手間が、5人のときの3倍になる。
データの精度が揃わないから、しかるべきチェックシステムを組む必要がある。有能なチェック要員も必要になる。超低価格で受注していては、システム投資やチェック要員の人件費などの確保は、楽ではないはずだ。
入力を省力化・機械化・自動化するためのシステムやソフトウェアは、いろいろ開発されつつある。だけどまだまだ人手に頼る部分が多い。
もうちょっと受注単価を上げて、入力者にもうちょっと払って長続きさせるほうが、結果的に業績は上がるのではないかと思う。
それにしても、ベテランでも時給100円台などという仕事は法律に触れないのだろうか。何らかの形で規制はできないのだろうか。
(続く…)
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