ボロくてもローテクでも客は来る
夫に頼まれて、平日しか営業しない「秋葉原ラジオデパート」に出かけた。
それは「デパート」ではなく、しかもラジオ売り場ですらない。秋葉原用語で言う「パーツ屋」が集合した建物だ。
基板、抵抗、スイッチ、IC、コンデンサ、などなどを売っている。さらに、それを組み立てるための工具、ハンダ、コード類、ケース。どんな電気製品も、もちろんコンピュータも、結局は、基板上に抵抗やスイッチ等をハンダ付けして、コードでつないで作ってあるわけだ。
タカラヅカに男性客が少ない以上に、ラジオデパートの客に女性は少ない。
電気工作マニアらしき男性以外に、明らかに仕事で来た男性が多い。背広の人も作業服の人もいる。試作品を作っているのかもしれない。
ある意味で、ここはハイテク最先端なのだ。
ところが。売る側は驚くほどローテクだ。私は4軒の店で買い物をしたが、レシートをくれたのは1軒だけだ。あとはボールペンでせっせと領収証を書く。レシートをくれた一軒も、音からしてレジはタッチ式のキーではなく、ガッチャン!と数字を押し込む旧式の機械。
おまけに建物が古い。店は、壁に適当にクギを打って、材木を渡して棚にしていたりする。低い天井、むき出しの蛍光灯、すれ違うのも大変な狭い通路、愛想のない店員。
それでも客は来る。どんどん来る。
店が古くてもボロくても、ここにしかないものを売っているからだ。店員は愛想はないが、不親切ではない。私がおそるおそるメモを差し出すと、手間ひまかけて指定のパーツを選んでくれる。こういう売り方、儲け方もある。
(2003年04月30日)
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