琥珀の本をめぐって
牧子さんが出版社から受注した仕事の一つに、琥珀についてのテープ起こしがあった。洋書を某大学の教授が翻訳したもので、教授は訳を口述して録音し、それを牧子さんが文字化した。
ゆっくり丁寧に口述され、起こしやすい楽しい仕事だった。しかし、出版社に納品したあとなかなか出版されず、いつしかこの仕事の件は牧子さんの記憶から薄れていった…。
2006年秋。石好き(←宝石から河原の石ころまで幅広い)なわが家の長女が、図書館で琥珀の本を借りてきた。私と長女はお互いの本を奪って読み合う習慣で、私はそのときも読んでみた。教授のあとがきに、関係者への感謝の文章が入っていた。「山本牧子さん」への感謝が出てきた。
メールを出したら、牧子さんのほうが驚いていた。この本が出版されていたのを知らなかったのだ。2003年秋に納品して、出版は2004年8月。ずいぶんかかったものだ。
牧子さんはその話題をSNS内の日記に書いた。業界の大先輩からメールが届いて…と。
あのー、業界の大先輩ってねえ(笑)。牧子さんの業務スタートが2000年で、私は1999年でしょ。そりゃ最初にテープ起こしでお金を稼いだのは96年だけど、その後入力会社のパートをしていてブランクがあったし、99年以降だってテープ起こしとそれ以外の仕事を並行させているから、経験した量はテープ起こし専業の方ほど多くないんですけど。
気恥ずかしくて、SNSで「琥珀の本、見つけたのは私なのよ!」と名乗り出られなかった。ここで発表しておきます…。
お会いした1月11日は、人付き合いがあまり上手でないわが子(山本家の次男くんと、うちの長女)に、親として心配がつきない話も実は盛り上がった。
でも、次男くんは幼少のころからレゴに熱中し、牧子さんが見ても理解できないような説明書を読みこなし、複雑な大作を作り上げているという。うちの長女は熱中する対象が次々変わるけど、そのたびに図書館から山のような本を借りて読みふけっている(琥珀の専門書もその一つ)。
彼らの常軌を逸した熱中ぶりがいつか仕事にも生きることを、親としては祈りたい。根気や集中が必要な仕事、テープ起こしをやっている私たちだから。
〔牧子さんのコメント〕
今、次男にはレゴ友が3人います。レゴがなかったら友達をつくれなかったかもしれない。「テストでいい点を取ったらレゴね」と言えば張り切って勉強する。彼の生活はすべてレゴで成り立っている。レゴビルダーになりたい彼。なれなかったら……あとはどこに進むんでしょうか。親の悩みは尽きませんね。
お会いしたときは、テープ起こしについて校正ソフトの使い方、音声加工の話、仕事を頼んだときのビックリエピソードなど、いろいろな話題も出たのだけど、今回は介護との両立をめぐる話を中心に書いてきたから、これらがうまくはまらない。また何か別の機会に…。
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