地域に救ってもらった
奥山●子供が2、3歳ぐらいになるころまでは、本当に苦しかったですね。会社の経営はうまくいかないし、夫の単身赴任があったり、毎日がどうしようと。私の場合、それを救ってくれたのが地域だったんですね。
廿●地域っていうと、仕事を発注してくれたりですか?
奥山●まず当面の運転資金が回らなくなった、どうしようっていうのがあって。バブル経済崩壊のとき、売上げが半減しちゃったんです。私自身はまだ子供が小さくて、当時延長保育もなかったですから、働ける時間も限られている。四面楚歌ですよね。
銀行を回ったんですけど、まだ30代で若いし、女性経営者も当時少ないから信用がない。どこの都市銀行でも断られて、最後にたまたま、小規模事業主向けの融資制度があるっていう大田区報の記事を見て、相談窓口に行ったんです。うちの会社、前年まで赤字は出してなかったんですね。だから、事業計画書を見た担当者がこれなら大丈夫って言ってくれて、2週間ぐらいで融資が通ったんです。
廿●貸してくれたところは…。
奥山●地元の信金です。低金利で融資を受けられて、それでなんとか生きながらえたんです。そのときからかな、地域に目を向け始めたのは。私は地域に救ってもらったし、地域に役に立てることがあったら何かやっていきたいなと。
廿●じゃあ、今地域のお仕事をいろいろ引き受けていらっしゃるのは、そこからたどれるわけですね。
奥山●そうです、ルーツはそこです。
地域に恩返しをと思ったら、思うだけですまさない、本当にやるのが奥山さんのすごいところで、大田区の審議会や協議会の委員を歴任し、大田区から「特別功労者」表彰を受けている。
ご著書も『メイド・イン・大田区』『大田区スタイル』、そして今年3月の新刊も大田区を取り上げている(この本については連載後半で紹介)。
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