向いている人には2つの「き」がある
廿:直請けの単価だと、仕事が1本ずつ順に途切れなく来て、人に頼まないで1人でやれれば結構お金になるはずなんです。でもそういうふうにコンスタントに来るってことは絶対ない、空いた時間ができたり、重なって誰かにお願いしなきゃいけないから、実質の収入はもっと少ない。
文月●そうですよね。
廿:でも本当はかなり稼がないと、パソコンの買い換えとか経費にお金をかけられない。なかなかそうならないですよね。直請けしないで、会社に登録して仕事もらってると、まして大した収入にはならない。
文月●うん。会社の仕事だけでやってたときは、忙しい時期はとっても忙しくて、寝る時間も削って毎日毎日やって、それでも○万ぐらいだもん。お金だけを気にするわけじゃないけど、やっぱり、外に出ちゃおうかなって思っちゃうじゃないですか。
廿:当然ですよね。パートなら経費がかからないし。
文月●それに、パートなら拘束されるのは出てる時間だけ。帰ってきちゃえば仕事のことはすっかり忘れていられるでしょ。家で仕事だと、常に仕事がそばにある。
廿:休まらない。切り替えがしにくいですよね。
でもテープ起こしの会社も今は難しくなっていて。昔は入力者同士に横のつながりがなかったから、囲い込んで「これがうちのやり方なんだ」って教え込めた。今は入力者同士が情報を交換してしまうでしょう。それに、専属でいてくれない。せっかく苦労して教えると、やめちゃったり独立しちゃったり。
文月●そうか…。
廿:だから会社側も、「マジかよー」と思ってるんです。文月さんぐらい何年もやってれば、会社にとってはもう元が取れてるけれども、続かない人は本当に続かないしね。
文月●そうですよね。この仕事って、好きじゃなきゃ続かないもん。好きで、根気がないと、できない。たとえ根気があっても、嫌いじゃ無理だと思いますよ。
廿:それだ。好きと根気の両方。
収入と経費、仕事と休息の切り換え、在宅ワークとパートの違い。日ごろ「マジかよー」(いや、上品に「マジでございますか?」←違うってば)と感じているような問題が、自然に列挙された。一方で、出す側も昨今は「マジかよー」と困惑している。
「好き」と「根気」がこの仕事を続けていける人の条件というのは、文月さんらしい考え方だと思う。私って、テープ起こしは一応好きだけど根気がないのがまずいなあと、なんだか反省しつつ、6月号の対談は終わり。
明日から文月さんと私の「対談を終えて」とイベント告知、それから数日お休みして、7月号の連載を開始する予定です。
| 固定リンク


