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会社員から自営業へ

廿:結婚後、家で始められたのはいつですか?

畔見●会社ではオフコンを使ってたから、パソコンのパの字も知らなかったんです。MOTを取ってインストラクターになろうと思って、95年ぐらいかな、1年かけて取ったんです。でも、取れたころにはもうMOTを取った人が大勢いて、仕事につながらなくて。どうしようかと思ってたら、一緒に試験受けた人が在宅でデータ処理をしてた人で、「教えるから」って仕事を紹介してくれたんです。それと、そのころはニフティのパソコン通信が全盛期で…。

廿:ってことは、在宅ワーキングフォーラムが全盛期!

畔見●そう。フォーラムで、仕事やりますってPRを出しておいたら、最初のクライアントがついた。大手の会社の人でたくさん仕事を出してくれました。

廿:上々の滑り出しだったんですね。

畔見●あそこで縁が縁を呼んで、評判で横つながりで、紹介があって、どんどん仕事が増えていって。一緒に仕事をする人にも出会えたし、在宅ワーキングフォーラムさまさまです。

廿:あそこで実績を上げた人が、ちゃんと1人いたか…(笑)。当時の私は、入力会社に勤める前だったからド素人。PRの文章にも、そのド素人感が出ちゃうんですよ。

畔見●そういうものですか??

廿:そうだと思う。あのころまだ、簡単な入力の仕事がいっぱいあったでしょう。もちろんしょっちゅう応募するんですよ。でも一回も採用されたことなかった。ちょうど在宅ワークブームだったから、私みたいな未経験の主婦が大勢、入力を志望してた時代ですよね。

畔見●私もその一人です。

廿:いや、その前の経験が全然違うから。

畔見●でも自営ってなるとまた別じゃないですか。どうアピールしていいかわからない。最初のクライアントのときは直接電話がかってきてもうドギマギ、1文字1.2円で入力って考えてたのに、いくらですかって聞かれたとき「い、1円です」って、0.2円弱気になっちゃった(笑)。でも、つい去年までずっと継続して仕事を出してくれてました。

廿:えー? あのころ、0.45希望って書いてたんだけど、誰も出してくれなかった。

畔見●安すぎたんですよ。

廿:そんなことはないですよ。「もっと安い人がいたので今回はお断りします」って書いてあったもん。

つまり、問題はそこだ。アピールに「ド素人感」が出てしまうと買いたたかれる。もっと安い人がいるならそっちに出すのは当然だ。
経験なしに「プロフェッショナル感」を出すのは無理で、プロフェッショナル感を出すにはそれ以前の徹底した経験と、それに基づく実力が必要。いわゆる「主婦の在宅ワーク」には、この認識が欠けている。「PRにどんな文章を書くか」という小手先の技巧ではない。
当時の私はそのことに気づいていなかった。入力は好きだし、仕事はたくさんあるというから大丈夫だろうと、のんきに思っていた。1995年時点ですでに「会社員と自営の違い」という意識に到達していた畔見さんとの差は大きい。

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