データ入力コースの不人気
「オンライン講座・データ入力コース」の教材を作っているとき、メーリングリストで告知してデータ入力についてのアンケートを行った。2004年秋のことだ。
データ入力の仕事をしている人は、問題点として単価を上げる人が多かった。それは予想できたが、「あまりに単価が安いのでデータ入力の仕事をやめた」という回答が予想以上に多かった。
受講した人も、たちまち仕事に失望してやめてしまうかもしれない。それだったら講座に何の意味があるだろう。
私自身の仕事は、テープ起こしもデータ入力も時給換算でほぼ同額だ。案件によって「時間がかかって割に合わない」「思いがけなく簡単で儲かった」というばらつきはあるにしても、やめたくなるような低単価のデータ入力はしていない。
ここにギャップがある。ギャップの原因は、わかるようでわからない。
私の場合は、早く始めたというメリットがあるのかもしれない。
まだ企業側に1人1台パソコンがない時代に始めて、つまり出す側もあんまりわかってないので、何を納品しても感謝してくれた。世の中のパソコン事情がレベルアップするにつれて、私も勉強してレベルアップを図ってきた。
今から始める人は大変だ。エクセルで言えば、出す側が関数やマクロを活用してスピードアップできるのに、プロであるべき入力者側が文字を打つことしかできないという状態。パソコンそのものに不慣れで、せいぜいメールのやりとりができる程度で始めようという人には、必要なスキルが高度すぎる。
私のメリットは、あとはたぶん東京に住んでいるということ。
私も、最初は入力会社に登録したり入力グループに入ったりして、単価の低い仕事をやってきた。ただ、わが家の経済状態からすれば、稼げないならパートに出たほうがましで、ある程度経験を積んでからは単価のいい仕事にありつけるよう必死に努力した。
その努力とは、結局いいお客さんを見つけるということに他ならない。東京は事業所が多いから仕事も多い。入力者も多いから競争も激しいが、それでも地方から見れば「いいわね、東京は」という面はあるかもしれない。
いろいろなところ(SOHO支援団体など)のデータ入力講座は次々打ち切られていった。データ入力という仕事の不人気はどうしようもなかった。私の初級データ入力コースも、1年ちょっとで自分から言い出して終わりにした。
今でも、あの講座は違う作り方をしたほうが良かったんじゃないかと、よく考える。初級コースよりむしろ、今やっている人が希望を持って続けられるようなスキルを扱うこと、つまり中級ぐらいの内容にしたほうが、誰かの役に立ったかもしれない。
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