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だけど経費もかからなくなった

 入力者が減っているという話の前に、単価下落について確認しておきたいことがある。
 今年に入るまでは、世の中全体がデフレだった。つまり、ほかのモノやサービスの値段も全体的に下がったわけだ。
 また、デフレとは別だと思うが、パソコンやインターネット関連の価格はこの十数年で劇的に安くなった。入力系の仕事をする上での経費がぐっと減ったのだ。

 例えば1996年に買った私のパソコンは、当時としても貧弱な下位モデルだったのに23万円もした。今年買ったパソコンは、デスクトップ+モニタ+Win XPでわずか9万円。
 10万円超の機材は「資産」として減価償却する決まりだけど、9万円のパソコンは単なる「消耗品」扱いで、減価償却する必要がない。そのぐらい安くなったのだ。

 2000年に、インターネットであれこれ調べ物をしたら、3カ月連続で電話代が2万円もかかった。当時は回線速度がのろく、各企業のホームページも充実していなくて、時間がかかるわりに大した調べ物はできなかった。

 例の日経記事には「テープ起こしの単価が以前○円程度、現在○円程度」というのが載っていた(企業等から直接に受注する人の単価だと思う。下請け・孫請けする人がもらう金額は記事より安い)が、わりとマイルドな数字だった。

 「もっと昔は音声1時間当たり4万円もらっていた」と、その当時やっていた人から聞いたことがある。彼女がやっていたのはワープロ登場以前。原稿用紙に1字ずつ書いていったので現在よりずっと作業時間はかかった、ネットのない時代だから調べ物も大変だったとのこと。

 今は機材費や情報収集費は劇的に減ったし、インターネットの回線速度が上がったことやパソコンがフリーズしにくくなったことなどで作業効率はアップした。
 それらを考慮した上でどの程度収益性が低くなったのか、正確に検証したデータは見たことがない

 私の実感としては、テープ起こしの単価下落は大体のところ許容範囲。ただ、狂ったような低単価が一部に出てきている。相場を知らない人が無邪気につける価格というケースもあるが、大手がシェア拡大を狙って戦略的に打ち出しているものもあるので、伝染が心配だ。
 データ入力の単価下落は、大多数の仕事ですでに下限を超えていると感じる。引き受ける人がいなくなるのは時間の問題だ。

 私はデータ入力が好きで今でもやっているが、単価のいいところとしか取引しない。このところちょっと体調を崩していて、そのうち1社からしばらく撤退せざるをえなくなった…。担当者が優しいし、入力内容も勉強になるので残念なのだけど。
 いずれ、単価のいい仕事を受注する方法や必要なスキルをまとめてみたいと思っている。データ入力者がこの仕事を続けていくための方法を、真剣に考える必要がある。

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