誰にでもできる仕事は安い
入力の単価下落が過当競争のせいとは、私には思えない。そういう側面があるにしても原因の一部にすぎないと思う。
誰にでもできる仕事は、安いのだ。
例えばクリーニング屋は、今でもランクの高い仕事とは思われていない。けれども、それでも今はドライクリーニングというものがあって、水洗いではなかなか落とせないファンデーションなどの汚れを簡単に落とせる。そういう意味では、一般家庭の洗濯と同じと思われてはいないはずだ。
昔の「洗濯屋」はドライ機もなくスチームアイロンもなく、つまり当時の一般家庭の洗濯と同じことをしていた。ただ請け負って、一日中肉体を酷使して、数をこなす仕事であり、そこで働く人たちは今のクリーニング屋よりもっと貧乏していたらしい。
入力は、流れとしてはその逆だ。
以前勤めていた職場では、私以外にワープロを使える人間がいなかった。1枚の書類作成に半日かかっても、上司から感謝され、同僚からは感心されていた。この頃、専門の入力者は悪くない報酬を受け取っていたらしい。
けれど今ではたいていの職場に1人1台パソコンがあって、簡単な入力や文書作成はたいていの社会人はやってしまう。職場の何人かは、もっとハイレベルな入力や文書作成やデータ加工もできてしまう。
だから今では、入力は特殊技能として扱われないのだ。「誰にでもできる仕事」でしかない。単価が下がるのは、一般社会の評価が年を追うごとに低くなっていくからだ。ただ請け負って、一日中肉体を酷使して、数をこなす仕事。
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