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主婦は起業しない

 「国立社会保障・人口問題研究所」Webサイトで「日本の将来推計人口」を見てみた。
 出生率の予測によって3段階の数値が出されているが、「低位推計」によると、今年が日本の人口のピークであり、なんと来年から日本の人口は減少を始めるとみられる。

 データを確認したところ、人口は劇的に減るわけではない。人口が減る中で高齢者の比率が劇的にアップすることが、心配されているのだ。
 「自治体破産」に直面している市町村担当者は、あせっている。こうなったら主婦と元気な高齢者を働かせるしかない、高齢者(特に定年退職した男性高齢者)は、放っておいても働く意欲十分だから、主婦の就業支援に力を入れよう!と、各自治体では「女性のための起業講座」などを開いている。

 …これが、一向に成果を上げない。
 たいがいの主婦は、起業したいなんて思っていない。まして人を雇って地域の経済に貢献しようなんて思っていない。

 主婦は冷静だ。いわゆる「在宅ワーク」の規模で十分だと判断している。
 世の中の仕組みは、主婦を稼がせないようにガッチリできあがっている。税制も、社会保険制度も、企業の福利厚生も、育児環境も。
 特に夫がサラリーマンの場合、この枠はみごとに組み上がっている。(このへんの解説については『小さな在宅ワークの経理』をお読みください)

 ある程度以上の金額を稼ぐか、あるいは課税所得ゼロに抑えるか。サラリーマンの夫を持つ主婦には、働き方にはこの両極端しかなく、中間は不利だ。
 市町村担当者は「ある程度以上の金額を稼ぐ」主婦をおおぜい作りたいのだろうが、枠があっては中間で試行錯誤することができない。本当に主婦を頼りにしたいなら、主婦を変えようとするより、世の中の仕組みのほうを変えるべきだ。

(2004年01月22日)

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